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植物の冷却能力

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 植物の地上部から大気中へ水蒸気が放出される現象を蒸散と言います。気温が高く乾燥した日には、一本の成木から1トン以上もの水分が蒸散によって失われると言われています。植物が自分の葉などを太陽の熱などから守るために水分を蒸発させています。水分が蒸発する時に気化熱により温度を下げることはよく知られていることです。木陰は涼しいですし、樹木がたくさんあればその辺りの温度を下げることにもなります。緑が少なく、コンクリートが多い人口密集地では、ヒートアイランド現象により暑くなります。大阪の夏は、沖縄の那覇より気温が高くなるのもこの影響だと言われています。
 雲雀丘学園は、大阪梅田から電車で30分弱の所にあるとは思えないほど、緑が多く環境に恵まれています。樹木も多く、校庭には芝生が植えられています。当然のことですが、芝生からも蒸散があります。周囲の温度を下げる役割を果たします。芝生の冷却能力は100平方メートルで家庭用のエアコン10台を24時間稼働(国土交通省)と同等だといいます。校庭の芝生の面積は約1,650平方メートルです。家庭用エアコン165台を24時間稼働と同等の冷却能力になります。また、単木の冷却能力(夏の一日の総蒸散量)として、イチョウの樹冠面積(真上から見て、緑の部分の面積)32平方メートルで452リットル/本、家庭用エアコン10台を24時間稼働と同等というデータもあります。校庭にある大きなイチョウはこの能力を十分超えるだけのものを持っています。
 本校は太陽光発電、LED照明、屋上緑化や雨水利用などエコスクールの仕掛けが沢山あります。しかし、樹木や緑の環境がエコスクールに大変大きな役割を果たしているのです。