中間考査を終えて
私たちの体は、一つの受精卵から細胞分裂を繰り返し、様々な機能を持つ細胞に分化していった細胞で構成されています。その細胞の種類は約270種類、その数60兆個ともいわれています。それぞれに一度分化した細胞を、4つの因子(初期化因子)を導入することで未分化の状態に戻す(初期化)ことができる細胞が、ノーベル賞で話題になっている「iPS細胞」だそうです。もとに戻るといえば「タイムマシン」を連想します。残念ながら「タイムマシン」ではありませんが、細胞レベルで未分化の状態に戻り、新しい臓器に成るというのですからすごいことです。
ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「次世代へのメッセージ」(読売新聞社主催)で、山中教授は「失敗すればするほど幸運は来る。若い間に、いっぱい失敗して、挫折してください」などと会場の高校生らにエールを送られています。「野球は3割打てば大打者だが、研究は1割打てばすごい研究成果だ」(山中教授)とも話されています。
iPS細胞の最初の小文字の「i」は、米アップル社の携帯音楽プレーヤーの「iPod」のように普及してほしいとの願いを込めて山中教授が名前を付けたとされています。このような話を聞きますと「iPS細胞」や山中教授がグッと身近に感じられます。
失敗が多くあるということは、それだけ多くのことに取り組んでいるということになります。いろんなことに挑戦しなさいということを言っておられることになります。中間考査も終わりました。それこそ、気持ちを「初期化」して、新たな課題に挑戦しましょう。