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直感能力も訓練で向上

 いままで、プロ棋士が瞬時に状況を判断し最適な次の一手を導きだすのは、長年の訓練によるものなのか、もともと直感的思考の神経回路の働きが良かったのか判断がつかなかったそうです。それが理化学研究所などの研究チームにより、訓練を通じて直感的思考能力が上達すると同時に直感的思考の神経回路が発達することが確認されました。
 昨年、研究グループはプロ棋士が直感的な次の一手を導きだす時に、大脳基底核にある尾状核を通る神経回路を使っていることを発見しました。今回、素人20人を対象に4ヶ月にわたる訓練の結果、直感的思考の時にプロ棋士と同じように尾状核の神経活動が活発化していたことを確認したそうです。
「素人でも一定期間集中的に訓練すれば、プロ棋士が使っている直感的思考の神経回路を発達させることが可能なこと、つまりプロ棋士が持つ直感的思考回路は特別なものではなく、地道な訓練によって養われることを示しました」、と研究成果は述べています。持って生まれた素質や素養もあるとは思いますが、その後の地道な努力や訓練が大切だということを示しています。
 本校では、きょうの午後、卒業生による学習支援プログラムを実施しました。考査前の土曜日とあって、多くの生徒が質問に押し掛け、教えてもらっていました。これはあくまで学習支援です。ここだけで済ますのではなく、自分で学習することがベースに無いといけません。プロ棋士も長い訓練と数多くの対戦経験から思考能力を上達させ神経回路を発達させています。「どんな芸術家でも最初は素人だった」。は、アメリカの哲学者エマーソンの言葉です。