同じことにあらず
「♪卯(う)の花の、匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ」。「夏は来ぬ(佐々木信綱作詞 小山作之助作曲)」です。卯の花とは空木(ウツギ)の花のことで白い花です。木の中心部が空洞になっているので、「空ろ木(うつろぎ)」が変化して「空木」になったと言われています。材質は硬く、木くぎに使われていました。最近では卯の花の垣根は見かけませんが、昔はよく使われていたようで、万葉集に記録が残っているそうです。
きょうは、爽やかさはあるというものの夏本番を思わせる気候でした。まさに「夏は来ぬ」、「立夏」です。季節の移り変わりを表現するものに二十四節気や七十二候があります。「立春」、「雨水」、「啓蟄」と毎年規則正しく繰り返されますが、内容は毎年同じではありません。昨年の「立夏」は金環日食で大騒ぎでした。今年は、寒暖の差が激しい「立夏」です。同じように季節は移り変わっていきますが、内容はその年々の特徴があります。
季節の移ろいと同じく、毎年のように体育大会が終われば中間考査がやってきます。一年生にとっては、初めてのことですが、他学年にとっては昨年と同じ対応を今年も繰り返していてはダメです。抱えている課題、克服すべき問題点が変化している筈です。決して同じことの繰り返しでは十分な対応とはいえません。現状の到達点を踏まえ、昨年とは、質も量も違う対応や取り組みが求められています。昨年とは違う自分を、いや昨日とは違う自分を生み出すべく努力をする人間でありたいものです。