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アイソン彗星が接近

 昨年5月、日本中を沸かせた「金環日食」に勝るともおとらぬ一大天文イベントとなりそうな「アイソン彗星」がやってきます。 アイソン彗星は、太陽の中心からの距離が約190万kmまで近づく軌道を持っていることが分かっています。そして、太陽に最も近づく11月29日(日本時間)前後には、明るさがマイナス等級に達することが期待されています。ただし、11月29日と前後数日間は、見かけの位置も太陽に近く地上からの観察は難しくなるようです。
 一般的には、彗星がどの程度明るくなるか、どのような見え方になるかの予測はたいへん難しいとされています。過去、太陽に非常に接近した彗星が急激に明るくなり、長く立派な尾が観測された例があったり、反対に、太陽接近時に彗星本体が分裂したり崩壊したりして、姿を消してしまう可能性もあるようです。アイソン彗星が、どのような姿で私たちの前に現れるかは予測が難しいところです。
 11月18日には日の出前の東の空に、おとめ座の1等星スピカと見かけ上近づき、スピカが彗星を探す際のよい目印になり、11月17日、18日、19日には、スピカとアイソン彗星を双眼鏡の同一視野で見ることができるそうです。
 12月に入ると、近日点を過ぎたアイソン彗星は、次第に太陽から遠ざかり、再び日の出前の東の空に姿を現します。高度は日に日に高くなって、日を追うごとに観察しやすくなります。尾は近日点通過前よりも長く伸びて見やすくなると予想されています。12月27日頃には地球に最も近づきますが、残念ながら近日点通過直後のような明るさは期待できないようです。