« 第三回高校入試説明会 | メイン | 説明会のアンケートから »

「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」

 南港にある工場の一本の煙突から真っすぐに煙が立ち上っています。そのずっと先に島影がくっきりと見え、水平線が光っています。池田の五月山から見えた景色です。きょうは午後から少し雲が出たものの、冬晴れの良い天気でした。季節は、重く垂れ込めた雲に天地の気が塞がれるとされる「大雪」の初候「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」となっています。
 「閉塞(へいそく)」は通路や出入り口が塞がれることを意味し、先行きが見えないことや将来の見通しが立たないなど否定的な意味で使われます。しかし、ここで使われている「塞」という字には、「通路をふさいで守りを固めた所。とりで」という意味もあります。また、村や集落の境域に置かれて外部から侵入する邪霊,悪鬼,疫神などの邪悪なものをさえぎったり、また、旅人の安全を守るとされる民俗神の「道祖神」は別名を「塞の神」といいます。
 地域によっては大雪に閉じ込められ、厳しい冬になりますが、「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」は暖かい春を迎えるためのに人びとを守ってくれると前向きに捉える方が良いようです。「どん底」は、これ以上下がりようがない、これから上昇に向かうということになります。いろいろな事象を見る時に一面的な見方ではなく多面的な見方が必要と教えてくれているように思えます。