校長室にうれしい訪問
先日、校長室にうれしい訪問が二人続けてありました。一人は中学2年生のM君。校長室のドアが静かに開き、不安そうな顔でM君が顔を覗かせ、そして「どうぞ」の声で入ってきました。「百人一首、覚えました」。M君の訪問の用件はすぐにわかりました。
夏休み明けの文化祭で、M君のご両親から私は声をかけられ、「『私の挑戦』で校長先生と約束した百人一首の暗記を達成しました」との報告を受けていたのでした。私は夏休みに入る直前、中高等学校の全生徒に、期間を区切ってどんなことでもいいから、挑戦することを決め、私に提出してもらいました。その中でM君は次の挑戦をしたのです。「夏休み明けまでに、百人一首をすべて覚えます」。私は次の返事を書きました。「約束です。休み明けには報告に来てください。挨拶もしっかりやること、親孝行も野球部も。がんばれ!」
M君は正直に「3つほどはあやふやのものもあります」と。そんなことはどうでもよろしい。「私の挑戦」の約束を守ろうと一生懸命努力したことが立派なのです。そして始業前の時間に勇気をもって校長室に入ってきたことも偉いと誉めました。
もう一人は高校1年生のO君。「私の挑戦」は「一生で全日本オラザク選手権の一次審査を通過すること」です。オラザク選手権は日本最大の模型のコンテストとの添え書きがありました。私は「1次審査の結果を教えてください。楽しみにしています。」と返事をしました。
O君の校長室への訪問は放課後でした。残念ながら入賞は叶わなかったとの報告でした。一生をかけて挑戦するくらいのことなので簡単には達成できないことは当然です。はきはきときちっと受け答えができる生徒です。しかし、同種のコンテストが別にあり、近畿地区予選で最優秀賞を取ったとのことでした。その時の賞状と作品を持ってきてくれました。これから全国大会に進み、そこで優勝すると国際大会に出場できるとのことです。立派なものです。
上の二人の「私の挑戦」は挑戦の期限が夏休みが終わるまでにとのことだったのと、結果を教えてください、とたまたま返事の書いておいたので、報告に来てくれたのだと思います。M君は翌日、次の「私の挑戦」として、「英検準2級の問題集を1か月で一冊終わらせる」の目標を書いて校長室に持ってきました。
現在1434名の「私の挑戦」が進行中です。うまくいっている人、いない人、中には早々と断念した人もいるかもしれません。大事なことは、挑戦しようとしたことを何としてもやり抜こうという心意気であり、努力の過程です。保護者の方には「私の挑戦」は進んでいるか生徒に聞いて、励ましていただきたいと思います。先生方には挑戦内容が達成できるようサポートをお願いしています。