歳々年々、人同じからず
今年度もあと1日となりました。事務局前のしだれ桜も、ようやくの開花となりました。うまくいけば来月8日の中高の入学式に文字通り花を添えてくれるかもしれません。クラブも多くがこの期間、合宿に入っています。昨日朝、陸上同好会が徳島・鳴門に向けて2泊3日の合宿に元気に出発しました。思えば2年前に誕生したクラブです。30名余りが合宿に参加しますが、日頃の活動も活発で嬉しい限りです。また吹奏楽部も明日の定期演奏会のリハーサルで、楽器を車に満載し、笑顔で会場に向かいました。定期演奏会には私も出かけます。
昨日は雲雀丘学園の理事会が開催されました。鳥井理事長はじめ理事、評議員、監事のかた22名が出席されました。本年度の事業・決算報告と来年度の事業計画・予算が了承されました。本学園の理事会は質問や意見が積極的に交わされます。色々な立場の方々から、外から見た貴重なご意見や考え方を伺うことができ、大変ありがたいことだと思っています。
さて私ごとですが、今年度末で中高の学校長を退任することにしました。後任は中井教頭です。よろしくお願いします。私は学園長に就任して学園全体の魅力度アップに努めたいと思います。このことは過日(3月23日)の修了式で生徒の皆さんにも話しましたのでご存知になっているかもしれません。学園には残りますので引き続きご支援を賜りますようよろしくお願いします。
今、世の中は大きく変貌しようとしています。世界的にはポピュリズムの兆候が見られ、また国内では超高齢化社会を迎えます。日本はどう対応していけばいいのでしょうか。教育の世界に身を置く者にとっては、厳しい現実に立ち向かえる、堂々と生きていける、更には社会に貢献できる人材を作っていかねばならないと思っています。
雲雀丘学園は幸い「いい校風、いい生徒」の学園として歩んできました。改革も進めてきました。しかし社会はもっともっと激しい変化をしています。例えば人工知能の台頭です。
人工知能はいわばもろ刃の剣であって、使い方を誤ると人類を不幸に陥れます。人間にすべての責任があります。人工知能を制御できるもの、それは人間力、人間性です。人間力の向上が生易しいものではないことは十分に承知していますが、雲雀丘学園はこの理想に燃え、日々の取り組みを進めていきます。
中高の校長を2年間務めさせていただきました。良き生徒、良き教職員、そして保護者の皆様に支えていただきました。色々なことに挑戦してきましたが、何か一つを挙げろと言われれば挨拶を挙げます。挨拶こそコミニュケーションの第一歩と確信するからです。学園の創立者、鳥井信治郎は「親孝行な人はどんなことでも立派にできる」と喝破しましたが、私は「挨拶ができる人は立派な社会人になれる」と申し上げます。
年々歳々花似たり、歳々年々人同じからず。
今日は温かな日中になり、開花は進んでいるようで、やがて昨年と同じ見事なしだれ桜が満開になるでしょう。そのしだれ桜と一緒に、新しい体制で、新しい生徒で、新しい気持ちで新年度を迎えます。(2017.3.30)