« 高校入試に向けて              第113号 | メイン | 高校入試A日程始まる           第115号 »

Pyeongchang              第114号

sIMG_20180205_185155.jpg sIMG_20180207_185614.jpg
地理の授業をしている時にはニュースの地名を地図帳探しをしていました。英語で表記したり・・・今日はPyeongchangです。そう韓国の「ピョンチャン(平昌)」です。2月9日にオリンピック、3月9日にパラリンピック(以下オリンピック)が開幕します。地理の授業では、首都ソウルやインチョン、南部の輸出自由区のウルサンやマサンなどの工業都市は扱いますが、東側テベク山脈地域は地図ではあまり見ていない場所かもしれません。
このピョンチャンは都市名ではなく郡名です。韓国には、ソウル特別市、日本の政令指定都市に相当する6つの広域市(インチョン、プサンなど)、セジョン特別自治市を除いた地域の自治体は「市」と「郡」になります。地図の中に示されるピョンチャンは郡庁の場所が示され、実際のオリンピック会場は地図よりも北側の高速国道沿いのテグァルリョン(大関嶺)面や隣のカンヌン(江陵)にオリンピックパークが設けられています。
日韓関係は複雑かつ緊張を増しています。また、ロシア、北朝鮮の参加問題や統一合同チームなどオリンピックと政治の問題は歴史的に見ても切り離すことはできないです。
その反面、次の3つでオリンピックを楽しみに見たいとも思います。第一に、競技という点では、金メダルを目指して挑戦する若者やレジェンド?の姿を見ることができます。スポーツはまさしく筋書きのないドラマ、感動です。
第二に、パラリンピックは、障がい者スポーツについて知る機会が少ない中で、オリンピックの直後に同じ場所で開催されることでマスコミにも数多く取り上げられ学ぶことが多いと思います。
語源を調べてみますと、パラリンピックとは、パラプレジア(Paraplegia、脊髄損傷等による下半身麻痺者)+オリンピック(Olympic)の造語であったとされています。一方で、「パラ」+「リンピック」=「パラリンピック」という語呂合わせは日本人の発案で、初めての使用は1964年の車いす競技大会を東京で開催した時とされています。
IOCは、1988年のソウル大会から半身不随者以外も参加するようになったことから、パラレルの解釈を新たに(Parallel、平行)+オリンピック(Olympic Games)とし、「もう一つのオリンピック」として再解釈し、正式名称としました。
最後に、開催国や出場国の事情を知ることができます。中部大学山元先生によると、韓国では日本の植民地支配が自主的な近代化を阻害し文化的基盤を奪ったとの意識から、これまでは肯定的評価や日本文化への関心を公言できにくい様子でした。1998年の文化開放に日本マンガの輸入が解禁され、現在の若者たちは日本のアニメへの関心を話す人も多いようです。
ニュースや番組、インターネットはすべてが正しい実態ではなく、作り手の意図が含まれていることもあります。ステレオタイプにその国の国民性や民族性を作り上げているかもしれません。このような世界大会を通じて、経済や文化・スポーツの動きに興味を持って目を向けたいと思います。
これから開催される2020年の東京オリンピックにおいても同じことだと思います。