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関関同立の数学

 今日は、数学についての話をしましょう。昔、私が学生の頃(20年くらい前の話)、理系学部の人気は非常に高く、理系にいれば就職は安泰であるといわれていました。そのころは、関西学院大学の理学部や同志社大学の工学部に一般入試で合格すると、神戸大・大阪大・京都大は合格するだろうといわれていました。(ただし、センターテスト(当時は共通1次試験と呼ばれていましたが)で、点数を取れていたらの話ですが、・・・)それくらい、関学の理と同志社の工はレベルが高かったんですが、今は、どうでしょう。同志社大の工学部は今でも偏差値60~65くらいあるので、レベルダウンしていないのですが、関学大の理学部は残念ながら55~60くらいに下がっています。今、高校生の理系離れが進んでいます。高校生の理数の力がどんどん落ちているのです。今の教育課程では、小中学校の数学の内容が削減され、高校に大きな負担がかかっています。小中学校の落ちこぼれをなくそうという趣旨だと思うのですが、現実には内容を少なくしても落ちこぼれは減っていないのではないでしょうか。逆に、今までたくさんの内容をこなし、頑張っていた子供たちが、内容が少なくなったので楽をすることを覚え、あまり勉強しなくなったのではないでしょうか。その結果、高校の数学は、今まで楽をしてきた子供たちにとってはきつい内容で、よりついていけない状態を作ったと思えます。そして、数学の力が全国的にダウンし、大学もそれに合わせて、問題が易しくなったといえます。また、数学嫌いが増えたため、全国的に理系に進む人数が減ったため、大学も生徒確保のため、レベルを下げて合格させるしかなくなったのです。
 長々と前振りしましたが、ここ数年の関関同立理系の数学を見てみよう。理工学部の数学では、数学ⅢCが必修になっています。理系の研究のためには、数学Ⅲの微積が必要だからです。そのため、3題中1~2題、4題中2~3題は、数学Ⅲの微積の問題です。残りの問題は大学によって違いますが、ベクトル・数列・確率がよくでています。数学Ⅲの微積が出来る生徒には、数学ⅠAⅡBの内容は、易しく思えるので、関関同立の理工学部に合格するには、数学Ⅲの微積が出来るか出来ないかにかかってくるのです。しかし、数学Ⅲの微積はもともと難しいため、応用はあまりされず、教科書レベルの基本が多いのです。たとえば、微分して極値を求めてグラフを書く、最大・最小を求める、共有点の個数を求めるなどです。たくさんの問題を反復練習して、公式を覚え、解答の書き方をマスターすることが成功の秘訣だと思いますよ。受験生諸君、がんばれ!!