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ちょっと耳障り

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最近,気になる言葉,「カタチ」(この前,新聞を読んでたら出てきたよ)。例えば,住宅ローンの返済について,銀行に相談に行った窓口で,
「この返済方法ではなくて,月々××万円,ボーナス月に○○万円に変えると,どういう風になるのでしょうか?」
「そうですね・・・・・・。そのカタチでしたら,最長35年としますと,年3.14%ですので,支払総額□□万円となり,このカタチより○○万円余分に支払っていただくというカタチになります。」

これは極端な使い方ですが,これに似た場面をよく耳にします。おそらく,「カタチ」は,「1000円からでよろしいでしょうか?」「~じゃぁないですかぁ」と同じように,ダイレクトに言うと相手の気持ちを傷つけることを避けて言う,婉曲的表現の一種で,代わる他の語彙を持たないときに使うのでしょう。でも,その言葉が耳に入った瞬間に,話し手との間に「枠組み」がイメージされてしまい,中で自分が動かされている場面を想像してしまいます。もう,相手の顔も消え,一人になって抵抗できずに流されている姿が浮かんできます。

 確かに便利な言葉ですが,反面,話し手の責任を放棄し,相手の取り方にすべての責任を委ねるずるい面を持っています。だから,もし,オシム監督が選手を励ます場面で使ったら,我々は多分,のけぞってしまいますよね。
「ワレワレハ ウシナウモノハ スベテウシナッタ。ジブンヲコワガラズニ トイウカタチデ プレーシヨウ」

オシム監督でなくっても,私達もこんな使い方は絶対しません。
「全然勉強しないで,ゲームばっかり,夢中になってしています。どうしたらいいんでしょう?」
「そうですねぇ・・・・・・・・,彼の直近の偏差値が53ですけれども,そういう状況でしたら,右肩上がりというカタチになっていくとは思えませんので,3月末には浪人というカタチになると思います。」