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卒業生、現場緊急レポート!~阪大になった大阪外国語大学は今!!

ご存じのように10月1日に大阪大(大阪府吹田市)と大阪外国語大(同府箕面市)が統合されました。統合により大阪外大のキャンパスは阪大の「外国語学部」となり、阪大は学生数約2万5000人で、学部の定員レベルでは国立大で最大だそうです。統合にともない、阪大は外国語学部外国語学科と法学部国際公共政策学科、大学院に文化動態論、グローバル人間学、言語社会の3つの専攻が新設されます。

そこで、統合直後の旧大阪外国語大学の様子はどうなっているのか?この春の卒業生で大阪外国語大学に入学した先輩にその様子をレポートしてもらいました!

統合後、何が一番大変かというと学生証の交換でした。外大の学生証を渡せば阪大の学生証が交付されるのですが外大の学生証は、背景に25の言語で「大阪外国語大学」と書いてあり、とてもおしゃれで、外大生にとっては誇れるアイテムだったのです。そこから自分の専攻語を探すのがなんともいえない楽しさでした。
「(外大の学生証を)渡さんといけんらしい!(←広島出身の子)」
「はぁーー?!そんなん【無くしました】って言い張るし!(←栃木出身の子なので標準語のイントネーション)」
外大生の9割以上が「学生証絶対渡さない宣言」をしていたようですがいざ交付!となると事務の流れを止めてはいけないという気持ちが皆の中に生まれたのでしょうか、あっけなく外大の学生証を渡してしまった人がかなりいたそうです。
しかし、「記念にほしい!」と言い張ったツワモノもいたようで、記念にほしい人はパンチで穴を開けたあとで返却する、というお達しが1日午後に出ました。私はそのお達し後に交換に行ったので一度も外大の学生証を奪われることなくすみましたが、律儀に1日の午前中に交換に行った友達は教務課に大激怒!
「返して!」と学生が押し寄せたらしく、教務課の掲示板には「外大の学生証の返却を希望する人は申し出てください。来週、返却します。」という張り紙がはられました。
ちなみに新しい阪大の学生証は本当にシンプルで皆ぶーたら言っています。
自動で発行される在学証明書も英文のものは鷲田清一総長(注1)のローマ字直筆サインが入っているのですが、「なんやこのミミズののたうちまわったような字は!」とあの『モードの迷宮』の鷲田総長のサインにまでイチャモンをつける外大生もいます(^^;

阪急バスの行き先も、停留所も「阪大外国語学部前」となって、バス通学の外大生は切ない思いをしながら通学しています。ただし、バスの運転手さんは無線連絡中、まだまだ「外大~外大行き込んでます~」とか車内アナウンスで「まもなくーおおさか・がいd・・・こくご学部前です。」とかいってくれます。

統大学名の言い方については、友達の意見を聞いてもかなり差があります。
「いやいや、一生外大生やねんから、大阪外国語大学です!って言い張るし。」派がなかなか多いです(笑)
こんなことを書くと、外大生は阪大を毛嫌いしているように絶対思われますが、「統合」の話題になったとたん、こんなことになるだけで普段はいつも通り、重たい辞書を持ちながら専攻語のテストに泣きながら、キャンパスライフをエンジョイしています。

統合直前の9月30日は、本当に切なかったです。
「阪大生になった?!ラッキーーー♪」なんていう気持ちは、本当に、本当に起こりませんでした。4月の初め、オリエンテーションが終わった帰り道、学生証を見つめながら「本当に外大に入れたんや...」と感慨深かったことを思い出します。
半年でここまで愛着を抱かせる外大、自分でもすごいと思います。

レポートをお願いした先輩は本当に外大が気に入っていて、念願かなって入学。それだけに外大に誇りを持てているようです。単科大学だったからこそ結束感もあったと聞きます。いずれにせよ、これだけ自分の大学を愛せているっていいですよね。
ちなみに蛇足ですが、新生阪大の総長に就任されて学生証にもサインが入っているという(注1)鷲田清和さんは入試現代文界では超有名人ですね。鷲田氏の評論はたびたび入試問題に使われています。高1のみなさんには最近教科書で学習し、期末考査の範囲にも入っていた「〈顔〉という現象」の筆者として身近ですよね!鷲田清一のサイン入り学生証もかっこいいと思うのですが…。

ということで、レポートに快く協力してくれた49期生のNさん!どうもありがとう!多謝!