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情報収集について

 今回の当番は、2月25日が前期試験だったため、25日の月曜日に始めたのでは間に合わないので、日曜日でしたが、1日繰り上げて24日から始めました。その際、内容の関係上、分量にして2,3日分一度に書くことになりました。それで25日と26日の分の便りは休みました。ところが、初日深夜に書いたのが癖になって、同じ調子でブログしていたら1日スキップしてしまい、2月28日の分が欠けてしまいました。それで今回の1日分を追加して終了にしようと思います。


 かなり長い間(特に最近は入学試験の真っ只中なので)、高3の諸君ばかり念頭に置いて書いてきたような気がします。この辺りで今回は主に高2・高1の諸君に向けて書いてみようと思います。

 諸君はこれから学習以外に、自分の将来の自分の姿を描くという大事な仕事があります。
そのためにはいろいろな情報を集めなければならないことになります。

 一口に情報と言っても内と外の二種類あります。「内」とは自分であり、「外」とはもちろん外部のいろいろな状況です。
 受験を戦争に見立てて「受験戦争」とよく言いますが、孫武の有名な言葉に「彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」というのがあります。孫武の著したといわれる『孫子』は戦術に関する中国の古典的名著で紀元前500年位前のものといわれています。2500年というのは忘れ去られるには十分すぎる歳月です。そんな気の遠くなるような昔の本がいまだによく引用されるのは、よほど肯綮を得ているためでしょう。
 自分のことは自分が一番よく知っているはずですが、実は一番よく分からないのが自分で、よく分からないから生きているとも言えます。一生をかけて自分を理解し、味わい尽くすのが人生なのかもしれません。ですから15,6歳ではまだまだ未開拓の部分がほとんどですから、自分がわからないのは当然といえます。昔、ギリシアのアポロン神殿の玄関の柱に「汝自らを知れ」という言葉が刻まれていたそうです。ソクラテスがよく引用して有名になった言葉ですが、彼はこれを彼の哲学の出発点としたそうです。自分が何をしたいかということは分かっても、自分が本当は一番何に向いているかということは簡単に分かりません。実際にやってみないことには本当のところは分からないものです。ただ、難しいのは、人生は一本道で、一度に二つのことはできないということです。
 現在の君たちの中には文系か理系かを決めることさえ難儀をしている人がいるでしょう。筆者もかつて高校生の時はその一人でした。私は大学に入ってからも、語文(語学・文学)コースに進むか法経商(法学・経済学・商学)コースに進むべきかで悩みました。結局、法経商コースに進みましたが、卒業に際しても、就職すべきか大学院に進むべきかで悩みました。就職することに決め、会社勤めをしました。その後、ここは私の居場所ではないと判断して実業の世界から退き、教職に就きました。振り返って、紆余曲折の人生ですが、自分一人だけで切り拓いてきたせいかもしれません。

 話がすこし堅くなりました。次はすこし「外」に目を向けてみましょう

 ところで、オープンキャンパスというのを知っていますか。最近進路指導部には毎日のようにどこかの学校からか、春のオープンキャンパスの案内が届きます。まずは、情報収集の手始めにこのオープンキャンパスに行ってはどうでしょう。高2の諸君にとっては来春は受験だから当然として、高1の諸君も早めに大学そのもののもっている、高校とは違った雰囲気を味わうのも悪くありません。念のために一通り説明しておきますと、キャンパスとは「構内」のことです。キャンパス(CAMPUS)です。キャンバス(CANVAS)ではありません。  (CANVAS というのはテントとか油絵の画布などのようなゴワゴワした布地のことです。間違えないように。) オープンというのはもちろん公開の意味です。つまり、主に受験生を対象に大学そのものを直に知ってもらうために学校が行うもので、現在ではほとんどの学校が実施しているものです。そのオープンキャンパスを気の早いところでは春から行おうというものです。情報収集の方法としては、最近はインターネットという非常に便利な方法があり、ヤフーとかインフォシーク、グーグル等々色々な検索エンジンを駆使すれば可成りな情報が得られます(進路指導室にも生徒用パソコンが3台あります)が、やはり、「百聞は一見に如かず」です。是非一度は出向いてみてはどうでしょうか。パンフレットだけでは分からない部分を観察することができます。大学の構内だけでなく近辺の環境とか雰囲気、交通機関、最寄りの駅、通学路等々、実際入試を受検する際の下見にもなります。

 文責: 山本正彦