「消費税10%はどう思う?」
— 1 Day College 生徒感想から —
経済実験から市場経済の仕組みを体感しよう
佐々木勝 先生 (大阪大学社会経済研究所 准教授)
佐々木勝 先生 (大阪大学社会経済研究所 准教授)
税金引き上げや価格規制は,市場取引にどのような影響を与えるのであろうか。これらの政策は我々の生活を豊かにするのか。今回の講義では,市場取引によって価格が決定するメカニズムを簡単な経済実験を体感することによって理解することが目的である。科学の世界では実験によって様々な理論の正当性が実証されてきた。しかし,経済学などの社会科学の分野では,対象者が「人間」であることから実験を通じて理論の検証を行うことが難しかった。ところが,経済実験は手法が確立されるにつれて経済事象を説明する有効なツールとして認められ始めた。受講者には,実験の「被験者」として参加していただき,市場取引を体験していただく。
大阪大学〔生徒の感想〕
- 市場取引の実験で,売り手,買い手になって取引してみて,意外にも難しいものだなと思った。その結果から,市場経済についてわかりやすく説明していただいた。取引したときの利益や今まで知らなかったことをたくさん知ることができた。今,政府が消費税を10%引き上げようとしているのはなぜかなど,最近,疑問に思っていることも説明していただいてよかった。
- 世の中の市場には,効率的な社会と公平な社会があり,効率的な社会は社会全体の利益にはなるが,それは完全競争が起きている場合だけで,難しいことが分かりました。また,今回の選挙にも関わっている消費税10%の問題についてもお話しいただき,とても楽しかったです。この講座を聴いて,10%の増税は別にいいと思いました。
- 効率的な社会か公平な社会かどちらがよいと思うかは個人の価値観だけれど,できれば公平さばかり重視する社会よりもバランスのよい社会の方がいいと思いました。消費税については,今まで社会の影響がどうなるかよく知りませんでしたが,消費者だけの負担ではないということを考えたいです。実験をしながら話を聴いたので,思ったよりわかりやすかったです。政治家の言葉ではなく自分で社会について判断したいと思いました。