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勉強の仕方シリーズ-現代文(2)-

 2、3年生のみなさんは、授業で、脳科学者の茂木健一郎の『脳と創造性』の文章を勉強したことをもう一度思い出してください。「最初のペンギン」という題で、不確実な状況に直面した時それを乗り越えるには直感を支える脳の感情が必要で、それこそが創造性を生むという大変平明な文章でした。 彼の著書で全編にわたって脳内の「ひらめき」について述べられている『ひらめき脳』新潮新書2006がありますが、論旨は「最初のペンギン」と同じです。
 認知科学では、一つしかない正解へと集中させていく思考を「収束的思考」と呼びそれに対して不確実な状況を「ひらめき」で乗り越える思考を「拡散的思考」と呼んで区別しています。
 「ひらめき脳」の冒頭で、脳科学の用語で「アハ!体験」(Aha! experience)と呼ばれる「あっそうか」と突然わかる感覚体験が紹介されていますが、脳を使う感覚を味わうことはつまりは「考える」ということです。
 くどいようですが、表現のツールであることばの基礎的知識を国語の知識として身につけるということは、とても大切です。今まで通り、授業を大切に、ことばの意味、ことばの表現方法など基礎基本をしっかり知識として身につけてください。と同時に、ことばはコミュニケーションのツールであり、自分でものを考えて、自分の答を発信することに意味があるのです。
 幸い、雲雀丘の国語の授業では「収束的思考」と「拡散的思考」どちらにも偏ることなく授業と講習が組まれています。皆さんは安心して雲雀丘での学びを大切にしてください。「学校の国語は受験には役に立たない」という人がいますが、それは「ひらめき脳」を鍛えていない人の誤解です。「受験での解法テクニック」とは別の大切な学びとは、平素から何に対しても問題意識をもって、ものを考え、自分の基礎力とひらめき力を武器にして自分なりの答を見つけ出す力を身につけ、実際に自分のことばで表現する力を身につけることです。これが現代文学習の最善なのです。 

読みの解答 ①「あげつらう」②「こぞって」③「ちなむ」④「しつらえる」⑤「わきまえる」

「彼は前方の砂漠を前にして「サイコー!」と叫んだ。」 (キーワード 「水筒」)
一例
砂漠の景観に感動したのではない。彼は、この砂漠をぬけるまでは残り少ない「水」は飲むまいと決心していた。しかし、のどはカラカラだ。見かねた同伴の彼女から水筒を差し出されて、躊躇したあげく一口飲んでしまった、その一口の「水」のおいしさに、思わず口がら出た言葉である。