第1期 研究者体験 発表会
8月3日 サントリー生命科学財団のご協力のもと、サントリー生物有機科学研究所で5日間の先端科学実験を行った3名の生徒の研究発表が行われました。今回の企画は、春に実施した「先端科学実験教室」よりのランクアップした、「研究者体験」なので、単に高度な実験を行うだけではなく、実験結果をまとめ、報告・発表するまでが求められています。
I君は今回、テーマ①の受容体遺伝子のPCRによる同定とその塩基配列の決定という実験を行いました。パワーポイントで今回の実験内容を説明しました。指導いただいた研究員の方と雲雀丘学園の2名の教員だけでなく、研究所で研究されておられる数名の研究員や村上専務理事も会議室に来ていただき、その前で発表しました。最初はやや緊張していましたが、自己紹介をしたあたりから落ち着き、実験方法の説明を始めました。
ホヤの生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体(GnRH1)の遺伝子をPCRによって増幅させ、それをアンピシリン抵抗性を持つプラスミドに組み込み、クローニングによって単一化させてからシーケンサーで塩基配列を解読し、それをホヤの遺伝子ライブラリーを比較するという実験を見事に説明しました。得られたDNAはプライマーの近くだけがライブラリーの塩基配列と異なっていた他は、1.2Kbpの大半がぴったり一致していて、驚きでした。生物を教えている私も何度かPCRを使って実験しましたが、初めての実験でこんなに見事な結果が得られるというのは、本当に驚きでした。生物有機科学研究所の研究員の皆様の万全な準備と、I君の落ち着いた正確な実験の結果でしょう。写真を撮るのも忘れ、研究内容に感心し、学会での発表を聞いているような錯覚に陥りました。
発表後のほっとしたI君の表情は、高校3年生に戻っていました。
続いて、M君そして、Hさんの発表がありました。その様子は、次のブログで紹介します。