図書館の歴史 ①
中間考査も終わり、図書室に試験前とは違った活気が戻ってきました
その様子を写真に収めようと思ったのですが、てんてこ舞いでシャッターチャンスを逃してしまいました。残念
さて、先日「そもそもなぜ図書館というものが誕生したのか?」という質問を受けました。そこで教科書を引っ張り出し再度読み解きお答えしようと思います
私たちが誰かに「何か」を伝えたい時、「何か」は自分の心の中にあるだけで姿や形を持っていませんよね。なので相手が知覚できるものを仲立ちにしなくてはなりません。それは音声だったり、手話だったり、文字という「メディア」です
今回は図書館ですので、文字に絞ってさかのぼってみました
<日本編 > 1 貴族と会員制図書館
すでに邪馬台国の時代、大陸との間で文書の交換があり、その後仏教とともに経典やその記録類が大陸から集まってきます。そうすると保管する場所が必要になります。1992年、奈良の法隆寺で「書屋」と書かれた板(621年頃のもの)が発見されました。「書屋」とは図書館とも考えられ、板(看板)が建物につけられていたものであるならば、この時が日本最初の図書館の誕生ということになります
奈良時代になると、政府内には書物の蓄積、歴史書の編集、皆が使う筆や紙の制作・分配をする図書寮(ずしりょう)の組織がうまれます。すでに情報メディアの統制が始まっていますね
奈良時代といえば貴族社会ですが、遣唐使によって運び込まれる書物を集める貴族が現れます。でも書物はとても高価でしたから、そうそう買うことはできません。かりてきて写し取り蔵書を増やします。中には、蔵書も増えてきたし、せっかくなので興味のある人には見てもらおうと、公開、利用させていた人物もいました。石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)の芸亭(うんてい)、学問の神様である菅原道真の紅梅殿(京都・北野天満宮)などが有名ですが、まだまだ研究機関的な存在で会員制図書館だったようです
この時代は仏教も盛んであったので、たくさんの経典が写経され寺院も保存図書館としての大きな役割を持っていたそうです。金沢文庫や足利学校などがよく知られています