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本の部分の名称

本の各部分にはちゃんと名前がついているのを知っていますか?

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                       イラスト:大阪府立中之島図書館ホームページより

①天(てん)・・・・本を立てた時に上になる部分
②はなぎれ・・・・単行本の中身の背の上下に見えている布(新書や文庫本はなし)
③背(せ)
④見返し・・・・表紙を開けた時に表紙と本の中身をつなぎ合わせている紙
⑤小口(こぐち)・・・・天と地を含む背以外の3つの側面部分
             主に図の⑤の部分をさすことが多い
⑥標題紙(ひょうだいし)・・・・本文に入る前に書名や著者名が書かれている紙
⑦地(ち)・・・・本を立てたときに下になる部分
⑧スピン・・・・ひも状のしおり

小口が裁断されず、ペーパナイフ等で切り開きながら読み進めていく「アンカット」という製本方式もあります。古書には見られることはありますが、現在の一般的な書籍にはほとんど見られませんね

古書に対しては驚くほどの知識と情熱を持っているのに、極端な人見知りの若い女性店主が営む、鎌倉の古書店を舞台にした ビブリア古書堂の事件手帖/三上延 (アスキーメディアワークス) の中にも、昭和11年出版の太宰治の作品集<晩年>を手に取り「乱丁本ですか?」「アンカットです。とても高額なものです」という様なやり取りがでてきます。アンカット=ページがカットされていないつまりまだ誰も読んでいないということですね

ひばりの図書室には、残念ながら?アンカット製本はありませんが、天の部分を金色に塗った「天金」 と美しいイラストが入ったものがありました

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上:「天金」手のひらサイズの三省堂のドイツ語辞書
下:集英社ギャラリー世界の文学シリーズ。銅版画家・山本容子さんのイラストが美しい