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『ほんのまくら』って?

 紀伊國屋書店という大型書店の新宿本店で、現在『ほんのまくら』~書き出しで選ぶ一〇〇冊 という変わったフェアが行われています
 『ほんのまくら』というのは、小説の書き出しの文章のことで、書店の方が考えられた造語だそうです。今回のフェアでは、このまくらの部分だけを印刷したカバーをかけパックされ、中身が読めないようになっています。もちろん書名も著者名もわかりません

 推理小説? 恋愛モノ? SF? 時代物? この作家は女性だね、などと、出だしの数行だけで吟味して、あるいはインスピレーションで購入する。それを楽しむお客さんが連日訪れ盛況なんだそうです

 そこで、ひばりの図書室からも『ほんのまくら』を発信
興味のある人は、カウンターで「ほんのまくら〇番ください」と声をかけてください


 ① 僕は捨て子だ。子どもはみんなそういうこと言いたがるものらしいけど、僕の場合は本当にそうだから深刻なのだ。

 ② 十四歳のその秋の始まりは、何かを予感するみたいに,世界中が完全な色に輝いて見えた。

 ③ 丘の麓のバーンズ屋敷に何か秘密があることは、当時その辺りの子どもならだれでも知っていた。

 ④ いつの世も、新しいものは船の漕ぎ出す海原に似ているように思います。新しい、という言葉にいつも人々は何を求めているのでしょうか。

 ⑤ 誰もいない食堂のほうから、物が落ちる音がした。たぶん、ねずみのしわざ。私は二階にいる。なんにもしてない。息だけ。

 ⑥ 私の書斎のいろいろながらくたものなどいれた本箱の引き出しに昔からひとつの小箱がしまってある。

 ⑦ 十三歳で父を亡くしたとき、あの世はまだ遠かった。

 ちなみに、紀伊國屋書店からは
「中身が見えない状態でお買い上げいただきます不親切をご容赦ください」とのことです