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理系のオリンピック

 夏休み中の学園ブログに紹介されていましたが、高3のI君が、この夏、生物学オリンピック・本選に出場し敢闘賞を受賞しました
 I君は図書室にも時々やって来るので好きなこと、やりたいことについて話をしたこともあり、今回の健闘は嬉しいニュースでした。大会の様子を書いた記録を読むと、有意義で楽しい4日間だったようですよね

 アメリカでも郡や州単位のものから国際的なレベルのものまで、様々な高校生による科学のオリンピックが開催されています。その中でも最高峰がインテル国際学生科学フェア。世界中から予選を勝ち抜いた理科の自由研究が集います

 でも選ばれた子どもたちが皆、特別な教育を受けてきたわけではありません
 厳しい生活の中、辛い寒さを何とかしようと、太陽エネルギーでお湯を沸かす装置を作り出したトレーラーハウス生活をおくるネイティブアメリカンの少年だったり
 少年院に派遣された理科の教師が、バスケットボールを太陽に見立てて宇宙の広さを説くことで興味をもった非行少年だったり
 自閉症のいとこのために言語教育プログラムを開発した子もいます
みんな何かのきっかけで科学と出会い、興味を持ち、粘り強く取り組むことの大切さを実感していきます
 
 2009年の大会には、50か国から1500人をこえる高校生が参加。その大会から数名と、これまでの参加者のなかから伝説(?)と言われた数名のエピソードを集めたのが

理系の子 /ジュディ・ダットン (文藝春秋) です

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 研究そのものの話ではなく、参加した子どもたちの生い立ち、なぜその研究をしようと思ったのか、どんな苦労、挫折があったのか、そして彼、彼女らの家族や周りの大人たちの様子なども描かれています

 また、昨年は日本から古代微生物の化石をテーマにした女子高生が参加、その時の様子を寄稿しています
 会場で初めて出会ったインドネシアの学生に「(この研究をしているのは)僕だけかと思っていたけど、あなたがいました」と言われたそうです。こんなふうに国も文化も違うけれど共通点のある仲間と出会えることも、きっとこれからの糧になりますよね
 I君もきっと、そんな出会いがあったのでしょう