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芸術の秋です

 少し前から街中や電車内で「青いターバンを頭に巻き、大きな真珠のイヤリングをつけた少女がこちらを振り返っている」肖像画のポスターを見かけませんか?
現在、神戸市立博物館で開催されているマウリッツハイス美術館展:オランダ・フランドル絵画の至宝~のポスターで、そこに出展されているヨハネス・フェルメールの描いた『真珠の耳飾りの少女』です
 暗い背景に窓から射す光を受けて浮かび上がる少女の姿。瞳の中にも光が輝いていて、光を大切にした画家フェルメールらしい1枚です。世界に三十数点しかないフェルメールの作品は、暗い室内にいる人物に窓から差し込む光がさす様子を描いたものが多く、光と闇のコントラストが印象的です

 そんなフェルメールやレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた『微笑み』の謎に迫った1冊が笑うフェルメールと微笑むモナ・リザ/元木幸一(小学館)

 モナリザの微笑みと言うけれど本当に微笑んでいるの?成人したイエスキリストの笑顔の絵がないのはなぜ?フェルメールの10作品に描かれた笑顔の種類など、「笑顔」と「笑い」を切り口にしたルネサンス前後の西洋美術史。文章と合わせてたくさんの作品写真も掲載されています

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 盗まれたフェルメールの作品を取り返すべく奮闘する子ども達を描いたのは
フェルメールの暗号/ブルー・バリエット(ヴィレッジブックス)
 暗号とパズル好きのちょっと変わった少年コールダーと美術館好きの少女ぺトラは学校の宿題をきっかけに、フェルメールに夢中になります。そんな時、美術館からフェルメールの「手紙を書く女」が盗まれ、新聞の全面広告に犯人からの挑戦状が掲載されます。二人は絵画のありかを探し出すべく謎解きをはじめますが・・・物語はペントミノという12個のピースからなるパズルがキーワード。本の挿絵にもメッセージが込められているので、読み進めるうちに暗号解読なるか!?

 フェルメールは日本人にとても人気があるので、先の美術展でも話題になりがちですが、他にも数々の作品が展示されています
 小説フランダースの犬/ウィーダ の中で主人公のネロ少年が見たいと熱望し続けたルーベンス。最期に大聖堂でパトラッシュと一緒に壁画を見上げるシーンを覚えていますか?そのルーベンスの作品や、レンブラント、ヤン・ブリューゲルなどといった世界的に有名な画家の作品が、来年1/6まで観ることができます
 芸術の秋に、本物を味わってみるのもいいですね