芸術の秋、続いています
前回の続き <警視庁・美術特捜班>です。と言っても、日本の警視庁ではなく、ロンドンの警視庁の話です
ムンクの『叫び』 世界的に有名な絵画なので「知ってる!」という人が多いと思います。その『叫び』が、1994年オスロのノルウェー国立美術館から消えました。犯人達は美術館の窓に梯子を立てかけ侵入、展示してあった大きな絵をはずし、滑り台の要領で梯子を使って滑らせて、下で待つ仲間が受け取りそのまま逃走。しかも現場には「手薄な警備に感謝する」というメッセージカード。時価86億円の名画は、そんなふうにあっさり盗まれてしまったのです
ムンクを追え!/エドワード・ドルニック(光文社)
盗まれた『叫び』を奪還するため、立ち上がったのがロンドン警視庁・美術特捜班の囮(おとり)捜査官。これまでに各国で奪われた名画を何度も取り返した実績のある回収の達人です。自分ではない誰かになりきって犯人に接触。ノン・フィクションですがまるで小説のような展開が続き、無事『叫び』は取り戻せます。取り戻せたのですが、あとがきに後日談があって、なんとその10年後、またもや『叫び』は盗まれてしまうのです!警備の見直しはなかったようですね・・
さて、芸術の秋を続けましたが、「あんまり興味ない」「よくわからん」な人、こんな本はどうでしょう?
101人の画家/視覚デザイン研究所
代表作やエピソードとイラストで見開き1ページで紹介。しかも、ルネサンスも印象派も現代美術も枠を取っぱらった画家の名前50音順の紹介です
描かれた対象を、マリア、天使、悪魔に分類して紹介するのは
マリアのウィンク(聖書の名シーン集)、天使のひきだし(美術館に住む天使たち)、悪魔のダンス(絵の中から誘う悪魔) /視覚デザイン研究所
4冊ともイラストエッセイ風で楽しめますよ