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新着図書紹介 5

 今日は新書2冊の紹介です

まねが育むヒトの心/明和政子 (岩波書店)
 心って一体なんでしょう?自分でコントロールできる部分とできない部分があったり、他人と似ていると思ったり、理解できないと思ったり。そもそも、心っていつ生まれるのでしょう?ここ20年、比較認知科学によって、ヒトの心の働きや行動の特性がだんだん明らかになってきています
 他者に依存し依存される社会的環境で生きている私達。それを可能にする心の働きは、ヒトが進化の過程で得られたもののひとつです
 血縁関係にない者へはたらきかけをするのはヒト特有のもの。相手の心の状態(感情)をモニターして自分の行動を調整したり、他者に教育したり、協力したりと利他的な行動をとることは、すでに生後1~2歳で言葉より先に身についていくのだそうです。「おせっかい」に他者に関わろうとするのはヒトだけなんですって


私とは何か~「個人」から「分人」へ /平野啓一郎 (講談社)
 私たちは、日常生活の中で多くの場合、相手や場所によっていろんな自分を出して生きています。たとえば先生の前と友達の前では同じじゃなかったり、その場の空気を読んで「キャラ」を演じたり・・・。
 その時々、おもてに出てくる自分の事を平野さんは「分人」とよびます。個人よりさらに細かい単位で、各自が持っている多様な個性のこと。
 そんなふうに臨機応変いろんな顔は持っているけれど、本当の自分はちゃんとある。でもじゃあ、本当の自分って何?どれが本当の自分なんだろう? そんな風に思い悩んでいる人に、「自分」はひとつじゃない!と平野さんは言います。自分はいくつかの分人でできていて、個性とはその分人の割合によって決定されている。そして、その割合は他人と関わる事で変化していく、個性も唯一不変ではないのですよ、という新しい人間観を書いた1冊


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