2013年本屋大賞 決まる
文学賞にもいろいろありますが、ちょっとユニークなのが『本屋大賞』です
「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーに、出版業界を現場(売り場)から盛り上げていくことを目的に始まりました。今年で10回目を迎えます。ノミネート全11作品の中から、今回大賞に選ばれたのは、海賊とよばれた男 上・下/百田尚樹 (講談社) です
実在する出光興産の創業者である出光佐三さんをモデルに、敗戦後の日本経済に活気をもたらしたともいわれる『日章丸事件』を題材にした、歴史経済小説。
第二次世界大戦後、日本の石油市場は海外の巨大企業グループ(石油メジャー)に採掘から販売まで独占されてしまいます。借金だけを抱え何もかもなくしてしまった石油会社『国岡商店』を率いる国岡鐵造。
彼は石油の国有化をめぐり英国と抗争中だったイランに注目、孤立した石油を救い出すため、一隻のタンカー・日章丸をイランに向けて送り出します。敵は当時の石油利権を独占していたセブンシスターズ(七人の魔女)と呼ばれた七社。待ち構えていたのは英国海軍。魔女たちの手をのがれ石油を持ち帰り、彼は海賊となれるのか?
残された社員を家族のように愛し、だれ一人クビにせず、アイデアと行動力でたくましく会社を再生させていった物語です
著者の百田さんはもともとTV番組「探偵!ナイトスクープ」の放送作家として活躍していました。50歳の時に初めて小説を書き始めたそうです。
高校のボクシング部を舞台にした「ボックス」、太平洋戦争時のゼロ戦パイロットの生き様をかいた「永遠の0(ゼロ)」など多くの作品があります