星の王子さま、70周年
今年は星の王子さま/アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery)が出版されて70年になります。世界で270程の言語と方言に翻訳され、たくさんの人に愛されている作品ですね。
サハラ砂漠に不時着したパイロットが不思議な少年(王子)に出会い、パイロットに自分が訪れたいくつもの星の冒険を語る寓話です。王子が出会ったのは、人に褒められていい気分になりたい「うぬぼれ男」や星を少しでも多く手に入れようと忙しい「ビジネスマン」などちょっと変わった大人たちばかりでした
そんな2人が交わす会話の中でもよく知られているのが「大切なことは、目に見えないんだ」という王子のセリフ
人間の価値や幸せは何をどれだけ所有するかではなく、人やものとどんな関係を結べるか、そしてその関係の質こそが重要なんだ。きっとそれが人生の豊かさにもつながっていくんだよ、とサンテグジュペリは言いたかったのでしょうか
お話同様、本の挿絵も有名です。これはサンテグジュペリ本人によるもので、イラストを描いた後にストーリーが生まれたと言われていて、作品を知るうえでも重要です。そこでフランスのサンテグジュペリ青年財団は70周年を記念して、このイラストのレリーフ5点を作成。目の不自由な方たちでも、一定の訓練を受けた人なら触ってイメージをつかむことができるのだそうです
また、自ら飛行士だったサンテグジュペリは、偵察任務中に行方不明になっています。44歳だったそうです。本の出版は第二次大戦後、彼が亡くなってからでした
日本でもいくつもの出版社から出版されていて、図書室にも揃っています
左から 新訳・星の王子さま/小島俊明・訳(中央公論新社)、ちいさな王子/野崎歓・訳(光文社)、星の王子さま/内藤櫂・訳(岩波書店)、 などなど