新しい地上絵、発見
ペルーの南部海岸近くにあるパンパと呼ばれる砂漠に描かれたナスカの地上絵。誰が、どうやって、何の目的で描いたのか?地上絵の存在は、考古学最大の謎の一つといわれ、1994年に世界文化遺産になりました
広大な砂漠に、巨大なハチドリやサル、コンドル、渦巻きや三角形などの幾何学模様が乱れのない正確な線で、しかも生き物は1本の線による一筆書きで描かれています。その全貌はあまりにも大きすぎて1000年以上前に描かれたのにもかかわらず、飛行機が発明され上空を飛ぶ迄はその存在に気がつきませんでした
そのナスカで新しい地上絵が発見されました。見つけたのは日本の山形大学・人文学部の研究チームです。どうやら二人の人物像で、1体の方は頭と胴体が分断されている様子などから、何かの儀礼行為を表しているのではないかとも言われています
昔から各国の研究者の調査対象になっている地上絵。その意味は暦や星座の配列、星の位置など諸説あります
だれがかいた ナスカの地上絵/吉川豊(理論社) は、そんな諸説をわかりやすくかいた学習漫画
ナスカ 地上絵の謎/アンソニー・F・アヴェニ(創元社) には各分野の研究者のデータを集め、いつごろ、どうやって作ったかまでは、おおよそ判明したとあります。設計図も特別な道具も必要なく、人々の手によって比較的簡単にできるそうです(ちょっとがっかり?)
パンパ特有の赤みをおびた小石とその下に黄色い砂の層、小石を掻き出すだけでくっきりとした2色のコントラストが出来上がるんですって。このあたりに住む人は距離感覚が研ぎ澄まされていて、目測だけで正確な作業ができるそうで、数年前にも近隣住民が足で小石を掻き出し巨大な地上絵を作り上げたそうです
一部では、宇宙人説も語られていましたが、残念ながら宇宙人がUFOに乗ってやってきてササーッと描いたのではなさそうですね
謎を持つ世界遺産はまだまだあって
どんな構造?誰が作った?世界遺産地図/インターナショナル・ワークス編(幻冬舎) では、ナスカの地上絵をはじめ、英国のストーン・ヘイジやイースター島のモアイ像などの世界遺産を紹介しています
「何のためにつくったのか?」だけは、まだ謎だそうです