スーチーさんを知っていますか?
アウン・サン・スー・チーさんを知っていますか?
スー・チーさんはビルマ(現・ミャンマー)の民主化運動の指導者でもあり、ノーベル平和賞の受賞者でもあります。現在、来日中なのでメディアに連日取り上げられていますから、見たり聞いたりしている人も多いと思います。
スーチーさんの父親は第2次世界大戦後、英国の植民地だったビルマを独立に導き、建国の父と呼ばれたアウン・サン将軍です。(独立直後に暗殺されてしまいます)
独立後、社会主義政権に抑圧され不満を持つ市民の間で民主化運動がおこります。その中心になったのがアウン・サン将軍を父に持つスーチーさんでした
その運動により社会主義政権は崩壊しますが、同時に軍部によるクーデターが起こり今度は軍が政権を握ることになります。そして、軍事政権下で行われた総選挙。スーチーさん率いる政党は勝利を収めたのですが、それを認めない軍事政力がスー・チーさんを自宅軟禁するという事態に。自宅で監視され続け、英国に住む家族にも会えません。1991年ノーベル平和賞を受賞しましたが、軟禁中だったため表彰式も出席することもできませんでした
2010年、支配体制は整ったと判断した軍事政権は民主政権への移行を宣言、20年近く続いたスーチーさんの自宅軟禁もやっと解かれます。そして先日、かつて暮らしていたこともある日本への訪問となったのです
そんなスーチーさんが、毎日新聞に連載していエッセイをまとめたのが
新・ビルマからの手紙/アウン・サン・スー・チー (毎日新聞出版)
季節の移り変わりや日々の暮らしのこと、それとは対照的に仲間が受けた理不尽な弾圧や迫害のこと。そして東日本大震災の被災者の方たちへのメッセージ。毅然とした姿勢と慎み深いまなざしがうかがえます
ビルマの歴史について興味を持った人は、15歳からの伝記で知るアジアの近現代史シリーズ ビルマ独立への道~バモオ博士とアウンサン将軍/根本敬 (彩流社) をどうぞ