夏至を過ぎました
一昨日は二十四節気の一つ夏至、1年のうちで昼の時間が一番長くなる日です。夏至を境に本格的な夏が始まります。
そんな夏至を、盛大にお祝いするのが北欧です。フィンランドやノルウェイ、スウェーデンなどでは、家々に白樺の枝を飾ったり、花の飾り柱を作ったり、かがり火をたいたりして夏至祭が盛大に催されます。長く寒い冬を過ごす北欧では、太陽が沈まない白夜が続くこの季節最大のイベントのようです。
フィンランドといえばムーミン。ムーミン谷シリーズの中の1作にもある
新訳・ムーミン谷の夏まつり/ヤンソン(講談社)
ときはジャスミンが咲き乱れる夏至の頃。どこかの火山が噴火して、大洪水に襲われたムーミン谷。屋敷が水没しかかったところに、ぷかぷか流れてきたのは大きな劇場。これは幸いと移り込むのですが、そこには先客が・・・。いつものメンバーに加えて個性豊かな登場人物が現れ、芝居を見たこともないムーミンたちが芝居をやろうと劇場で大騒ぎ。
そして、もう一つ、注目すべきはニョロニョロ。なんとニョロニョロは夏至に生まれるのです。つやつやした白い小さな種から!そして肝心なのは、種まきは夏至祭前日にすること。どこで手に入れたのか、スナフキンが蒔いた種からむくむくと発芽?するニョロニョロの様子がユーモアたっぷりに描かれています。
夏至祭/長野まゆみ (河出書房新社)
月彦が亡くなった祖父から受け継いだ古い時計は、毎年夏至の頃になると1か月ほど止まってしまいます。その年も、やっぱり時計が止まってしまった頃、突然近所の空き家にやって来た黒蜜糖と銀色という名前の不思議な二人の少年。彼らに招かれるまま月彦は、その家に足を踏み入れます。二人は何者?時計が止まってしまう理由は?
3人の少年のやり取りを描いた幻想的なファンタジー。「宮澤賢治的な世界」という人もいるようです。 そういえば宮澤賢治の代表作『銀河鉄道の夜』も夏至の頃の物語ですね。
ここでいう夏まつりは夏至祭のことだそうです