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Osaka Book One Project

 Osaka Book One Project の第2回選定本が決定しました。
以前、ここでも紹介した 仏果を得ず/三浦しをん(双葉社) です。

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 文楽の技芸員・太夫を主人公にした今回の作品もそうですが、三浦さんはこのところ、辞書つくりに没頭する言語おたくの編集者『舟を編む』や、林業に取り組む今どきの若者『神去りなあなあ日常』(WOOD JOB!として映画化)など、ちょっと特殊な職業を取り上げ、その業界や主人公を魅力的に描いている作家さんです。

 ところで Osaka Book One Project とは?
本と地域の活性化を目指した取り組みで、コンセプトは「本屋と問屋が力を併せて、ほんまに読んで欲しい1冊を選びます」
 大阪に関係する1巻完結の文庫本を対象に、書店員や出版取次店の担当者らでつくる事務局が、150点以上の候補作の中から選ぶのだそうです。
 今後、参加している大阪府内の9割の書店でキャンペーンが展開されます。
また、この本の販売で得られた収益の一部で、社会福祉施設を通じて大阪の子供達に本を寄贈するのだそうです。

 ちなみに昨年の第1回の選定本は、銀二貫/高田郁 (幻冬舎)
こちらは、時代物。幼い頃に母を、次いで仇討ちで父を亡くした鶴之輔は、自分もあわや討たれるかというところ、たまたまその場に居合わせた大坂天満の寒天問屋の主・和助に銀二貫(かなりの大金)と引き換えに救われます。
 名前を松吉と改め、武士の道を捨て商人の世界へ。凍てつく寒さのなか行われる寒天作り、辛い修行にも耐え丁稚として成長して行く松吉の物語です。
 選ばれただけのことはあり、天神さんへの厚い信仰心や浪花商人の心意気、人情など大阪味あふれる作品。NHKでもドラマ化されていましたね。