高校野球、こんな本も
このところ、貸出中が続いている高校野球の本があったのを忘れていました。
先月まで放送されていたドラマ『弱くても勝てます』 みていた人も多かったでしょう。その原作はノンフィクションです。ほとんどの生徒が東大を受験するという東京の進学校・開成高校野球部を追いかけた一冊です。
「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー/高橋秀実 (新潮社)
練習時間も少ない、設備も専用グランドもない、普通にやってても勝てるわけがない。それなら守備より打撃、サインプレーなし、送りバントもしない。どさくさで大量点を取って打ち勝つべし。ちょっと無茶な監督のセオリー(持論)ですが、実際に東京大会の上位に勝ち進んでいきます。
合い間はさまれる部員たちのインタビューの受け答えもユニーク。
集中力が1時間しか持たないと自覚する部員は、勉強と生活のリズムを1時間区切りで計画、実行します。野球の強豪六大学に行ってもライバルが多いだろうから、東大にいってレギュラーをとりメジャーリーガーになる夢を語る部員もいます。
相手校の選手には野球のことより「どれくらい頭いいんですか?」と訊かれたりするそうです。(ちょっと可笑しい・・・)
何かにつけて頭で考えて行動する彼ら。週1回しかない「練習」は、いつの間にか「実験と研究」の場になり「弱くても勝てる」力がついていったようです。
甲子園だけが高校野球ではない1・2 /岩崎夏海 (廣済堂出版)
野球部員を中心に全国から集められた高校野球に携わる高校生たちのエピソード集。それぞれのエピソードに「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーのマネイジメントを読んだら」の著者で、自身も高校野球児だった岩崎さんがコメントをつけたもの。
②の方では、特に「挫折」を経験した高校生たちの話が集められています。部員が自分一人しかいなかった、選手からマネージャーになった、父親が有名校の監督だった、東日本大震災で被災した。皆さんと同世代が語る野球への熱い思い。