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歴史とは何か

 昨日、鳥井学園理事長より本の寄贈がありました。親しくされている東京大学・名誉教授 山内昌之さんの著書『歴史とは何か~世界を俯瞰する力』(PHP研究所)です。

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 他にも山内さんの著書は、「民族と国家」「イスラームと国際政治」(共に岩波書店)
  「ラディカル・ヒストリー」(中央公論新社)など所蔵しています。

 歴史学者である山内さんの専攻は、中東 ・イスラーム地域研究と国際関係史だそうですが、日本史にもとても精通されています。歴史に興味を持ったきっかけというのが中学時代に、司馬遷の歴史書「史記」を読んだことだったそうです。
インタビュー記事によると 「面白かった。項羽と劉邦の戦いなど躍動感にあふれていて、夜遅くまで目が悪くなるほど読みふけった」そうです。

そして、大学で歴史学の道に進まれます。山内さんにとって歴史学の魅力は?
 ・歴史は読んで楽しい。歴史小説だけでなく素晴らしい古典をじかに読んで、純粋に楽しんでほしい。
 ・歴史は未来への指針になる。歴史は、困難や苦難を乗り越えた人々の記憶が刻まれた人生最高のテキストである。
 ・歴史は思考力を深める。自分の生き方、考え方を充実させてくれる。

 この本の中で哲人たちの言葉を引用しながら、歴史学とは異なる国や時代の事実を比較し、思い出し、実際に何が起こったのか、それが何を意味するのかを明らかにする仕事であり、隠された秘密のメッセージを読み解くことだと語っています。

 また、これは十数年前に東京大学で1、2年生を対象に歴史の講義を持っていた頃にまとめられたものです。高校で受けた日本史、中国史、西洋史を思い起こさせるような授業を心掛けるうちに、自分は学生たちに読書案内を含め、「歴史とは何か」を語りたいんだということに気づかれたそうです。

 アリストテレスや孔子、司馬遷、吉田松陰など、歴史哲学に関する古典の中から哲人たちの意見を拾い集め、そのひとつひとつを深く思索し、歴史というものについて考察した百科事典のような1冊。