« 効果、あり? | メイン | 原作本、あります »

「花燃ゆ」と吉田松陰

 今さらですが、今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、吉田松陰の妹・文がヒロイン。兄である吉田松陰と松下村塾を支えた女性です。文さんが歴史に名を残す事をやり遂げてはいないので(失礼!)ドラマのキーマンは、やはり吉田松陰でしょうか。(残念ながら先週放送分で亡くなりました)

 教育者であり、思想家であった吉田松陰が、生まれ育った長州・萩(山口県萩市)で、物置小屋を改装して作った松下村塾。そこには当時の封建社会では考えられない、身分の違いを超えた様々な若者が集いました。ここで松陰が指導したのはたった2年足らずでしたが、高杉晋作、久坂玄端、伊藤博文、山県有朋など、たくさんの幕末の志士たちが影響を受け、育っていきます。

 吉田松陰と久坂玄端/河合敦(幻冬舎) では松下村塾と彼らのエピソードを中心に紹介しています。 
 松陰は大変な読書家で、1日平均2冊、年間600冊を読破するほどの本好きだった、とか。その書物で知ったことを誰かに伝えたくてしょうがない教え好きだった、とか。
 そういえば、ドラマでも 『本は文字ではなく、人だ。本を開けば遠くにいる人にも、亡くなった人にも出会うことが出来る。同じように悩んで、答えを見つけようとした誰かがいて、生き迷っているのは自分だけじゃないと思える』 というようなセリフがあり印象深かったです。

 又、松陰が残した言葉は現在も語りつがれていて、よく知られているのは、『至誠にして動かざる者は未だこれあらざるなり』 自分が誠心誠意相手につくせば人は必ず動く、というような意味。松陰の信念だったそうです。
 それら松陰の言葉は、吉田松陰・留魂録/古川薫(講談社)や 吉田松陰「人を動かす天才の言葉」/楠戸義昭(三笠書房) で読むことが出来ます。

            hnmy2.jpg

 他にも、ドラマと同時刊行されている 花燃ゆ/大島里美(NHK出版) 現在2巻まで出版されています。
 又、この時代、江戸から明治の変革期を物語で読んでみたい人は、世に棲む日日/司馬遼太郎 (文藝春秋)はどうでしょう。倒幕への主導力となった吉田松陰や高杉晋作を中心にして書かれた群像劇です。