「村上さん、文学賞受賞したってよ。」
先日、村上春樹さんがアンデルセン文学賞を受賞しました。
毎年ノーベル賞前になると、周囲が騒がしくなりますが、これまでもフランツ・カフカ賞、エルサレム賞など、村上さんは様々な国際的な文学賞を受賞してきています。
今回、受賞したのは、ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞。
童話でおなじみのデンマークの児童文学者・アンデルセンにちなんで2010年に創設され、アンデルセンと同様に時代を超える魅力的な作品を生み出している作家に贈られるそうです。
ちなみに第1回はハリーポッターシリーズの著者・J・K ローリングさんが受賞。
(昨年、上橋菜穂子さんが受賞した国際アンデルセン賞は別物。あちらは児童文学対象)
今回、村上さんは「古典的な物語、ポップカルチャー、日本文化、夢のようなリアリズムおよび哲学的議論を大胆に融合する」彼の力と、「ユーモアと自己主張、憂鬱の美しいバランス」を持った作品が評価されての受賞となりました。
そんな村上さんがこれまで、どうやって小説を書いてきたか(つまりそうれは、どうやって生きてきたかに等しい)を語ったのが、先日刊行された
職業としての小説家/村上春樹 (スイッチ・パブリッシング)
小説を書くとき必要なのは「楽しい気持ちになれるかどうか」 そこに楽しさや喜びが感じられなければ、楽しさを邪魔している余分な部分、不自然な要素を片端から捨てていく。「自分から何かをマイナスしていく」ことが、自分の文体なり話法なりを見つけ出すコツなのだそうです。
村上さんにとって文学賞とは、学校とは、なぜ書き続けるのか、書くための強い心とは。40年余りに渡る小説家という活動について語った自伝的エッセイです。