人工知能にできないこと
スーパーコンピュータ『京』は、理化学研究所が運用する世界最高水準のスーパーコンピュータの一つ。 1秒間に1京回もの計算を正確にこなすというスーパーさです。
先日、米国でそんなスーパーコンピュータを使い開発した囲碁のAI(人工知能)『アルファ碁』が、世界で最も強い棋士の1人と対決して勝利をおさめました。
これまでAIは、多数計算によって先を読み勝率の高い手を選んで戦うという力技で、チェスの世界王者、将棋のプロ棋士と対戦し勝利してきました。
しかし囲碁は碁石を置く点が多く、手順も多すぎて計算が追いつかない上に、直感も必要とされるゲーム。盤上競技の中でも唯一コンピュータが人間に太刀打ちできないとされてきました。それだけに今回の完敗に人間の棋士たちは大きなショックを受けています。
そんなAIだったら、東大にだって入れるのでは・・・と思いませんか?
ロボットは東大に入れるか/新井紀子(イースト・プレス)
新井さんは「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトに関わる数学者です。しかしロボットといっても体はなくて、東ロボ君と名付けられた頭脳(AI)だけで東大受験にチャレンジしています。
前半では新井さんが全国の中学高校で行った講義の様子が紹介されています。
犬猫見分けシステムを例にあげます。私達は写真を見ただけで、だいたいそれが猫か犬か、あるいはそれ以外か判断できますよね。たとえ初めてみる種類であっても。なぜ人間が簡単に犬猫の区別が出来るのか、その仕組みは未だに謎なんだそうです。
しかしコンピュータにはそれが出来ません。たとえ、豚やパソコンの写真でも犬か猫か必死にどちらかに分類しようとするのだそうです。
後半では東ロボ君が代ゼミの「全国センター摸試」や「東大入試プレ」に挑戦。その結果は?
新井さんが中高生と一緒に、人工知能に出来ることはなんなのか、出来ない事はなんなのかを考えます。はたして東ロボ君が東大に入れる日は来るのか?!