地図の日
昨日4月19日は「地図の日」でした。
伊能忠敬が、1800年4月19日に国土測量のため、蝦夷地を目指して江戸を出発したことが由来しています。伊能忠敬というと、日本で初めて正確な日本地図を表した人。国土の正確な測量のための第一歩ということで、「最初の一歩の日」とも呼ばれるそうです。
世界の地図を旅しよう/今尾恵介 (白水社)
記号、道、境界、自然の造形、地図には各地域や時代の世界観が反映されます。何が大切にされ、どういう目的で作られたのかでも違ってくるそうです。
例えば、地図記号。日本ではおなじみの郵便局『〒』は、世界共通ではありません。欧州を中心に多く使われているのは、イラストで描くような角封筒だし、ドイツやスイスでは楽器のホルンを四角く囲ったかわいい記号です(かつて郵便馬車の御者が楽器を鳴らしながら走った事にちなんで)
日本の約23倍の広さを持つ広大なサハラ砂漠だって詳細地図があります。砂を思わせる黄色で塗られたそこには、砂の風紋のような模様が。それは砂と岩、定着している砂丘と動いている砂丘(!)とが区別して描かれているそうです。
そして、興味深かったのは地図にあるウソ。アメリカのある企業では、企業防衛のため、びっしり掲載された地名の中に数個、ダミーの地名を混ぜておくそうです(もちろん誰にも迷惑のかからない場所に) そうしておけば、他社に複製されても一目瞭然、複製の証拠になるというわけ。日本でも似たようなことをしている企業があるそうです。
地図には、今も昔も多くの労力がかかっています。
伊能忠敬が測量に費やしたのが、およそ16年。さらに、その後、地図の製作に取り掛かり、すべて完成させるまで21年かかったそうです。
今のグーグル・マップを知ったら、ひっくり返っちゃうかもしれませんね。