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TOKYO 1964

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 1964年の10月10日(土),4時間目の授業が終わった後,珍しく全校集会が行われた。校長先生が,今日は開会式があるから見なさいと話していたように思うが,小学校5年生だった私はむしろ,授業が終わったうれしさと,久方ぶりに見る,天高く突き抜けるほどの真っ青な空の方に関心が行っていた。

 そのとき ― 聖火を見る ― までは,オリンピックは大人の世界の話だと思っていた。が,授業を止めて学校総出でわざわざ見に行くというのを知ったとき,子供心に,これは事件だと思った。そして,沿道で待っていたときの周囲のざわめきと,通り過ぎていった真っ新なランニングシャツと短パン姿の青年に,これから重大な出来事が起こると確信した。
―― そして,午後1時50分。ファンファーレとともに開会式が始まった。どきどきして見ていた。画面向こうの赤と白の選手団も緊張していた。日本中が緊張していた。あの青い空の下で。