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学力の向上について⑮

授業を受けるときのおまじないといっても、神懸かり的なものではありません。期待させていたらごめんなさい。上手にノートを取ることができる生徒には授業を受けるときの共通点があります。それは「授業に集中できていること」です。その集中力をつけるための方法を書こうと思います。

1つめは、自分だけの儀式(ルーティン)をつくるということです。儀式と思うかもしれませんが、集中力が要求される人は自分なりの方法で、最高のパフォーマンスを発揮できる心理状態に入るための準備をしています。例えば、メジャーリーグで活躍しているイチロー選手は打席に入るときに必ず土をならしながらバットを一回転させています。「今から授業だ」という心理状態に入ることができるかどうかは、50分の授業を効果的に受けることができるかどうかを左右します。指先やボールペンの先を凝視する,秒針を見ながらカウントダウンなど方法は何でもいいのです。一つ決めて何度も繰り返すことで条件反射のように身につくようになります。気をつけることは、教室であってもどこであってもできる簡単なものにするということです。教室だけではなく家でも同じように実行しておくとさらに効果的です。

2つめはリテンションです。リテンションとは「相手の言ったことを記憶し、声に出して再現する」トレーニング方法です。授業中に先生が話す言葉を自分の中で繰り返すことが集中力を高めます。もちろん授業中に声を出すと進行の妨げになりますから、頭の中だけの話です。また、話し手の言葉を正確に再現するのは無理なので、具体例の説明だけを繰り返します。「この問題はfeel likeが動名詞をとっていることを知っているかどうかがポイントです」という説明のあとに、「feel likeは動名詞をとる」と繰り返すのです。この方法は負荷がかかりますが、集中力と短期記憶力を伸ばすので、効果は大きいです。

残りのおまじないは次の機会に書きます。