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先生も勉強するんだよ①

 今朝はすごい雨でしたね。一時は新幹線も止まりましたが、なんとか研修に間に合うことができました。今、東京・広尾にある東京女学館中学高校に来ています。渋谷の近くにある120年近い歴史を持つ女子校です。先生の研修って何をしているんだろうと、興味があるかもしれないので、ここからレポートしてみます。
 午前中に1つ目の講演(授業みたいなもの)がありました。お話しになったのは、1991年にカーボンナノチューブを発見した飯島澄男先生です。「最初は理学部で理論化学を学んでいたが興味を持てず、大学院に進学したときに電子顕微鏡に出会って自分のやりたいことが見つかった」と話されていました。進路を早く決めてしまうことは悪いことじゃないけれど、急がずに色々なことをやってみることが大切だという意味ではないでしょうか。中学1年生も数年のうちには自分の人生を具体的に考えていくことが求められます。でもそれは全部決めてしまうということではなく、そのとき一番良いと信じた進路を選択していくことにほかなりません。
 また、「これまでに大きな発見を3度経験して、それに対して賞を受けるなど高い評価もされてきたが、それができたのは偶然である」ともおっしゃいました。しかし、その偶然はよく準備をして挑んだからこそ得られたものであり、新しい発見を見逃さないためには知識や観察力を身につけることが大切であるとも言われました。知識や観察力は日々の積み重ねで体得するものであり、それを身につけていたからこそ、最初の発見者という幸運を引き寄せることもできたのだろうと思います。
 教師が生徒の皆さんに教えるのは、教科書に載っている知識だけではありません。こんなお話しを聴いてストックし、あなた方の進路を考えていくときの参考にしているのです。昼からは別の講義がありましたが、それは別の機会にお伝えしたいと思います。研修は明日明後日と8月1日まで3日間続きます。A.M.