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こんな本を読んでみませんか16

 昨日は星の伝説や神話にまつわる本を取り上げました。ここしばらくは故郷に帰省している人もいることでしょうから、自分のルーツやオリジンを考えるような本を紹介してみようと思います。といっても、難しい話ではありません。幼い頃に読んだかもしれませんが、もう一度神話を読んでみませんか。

 今日紹介する本は、岩波ジュニア新書から出ている阪下圭八著「日本神話入門」です。712年に太安万侶によって書かれた「古事記」の原文を紹介しながら、日本神話を読み解いていきます。天地開闢(てんちかいびゃく)から始まり、国産み,天の岩戸,八岐大蛇(やまたのおろち)退治,因幡の白兎などの大国主命神話,国譲り,神武東征,日本武尊(ヤマトタケル)と続く日本神話を知ることは、自分が何者であるかという自己確立の上でもぜひ読んでおいて欲しいと思います。もちろん、書いてあることは歴史的には事実ではありません。しかし、私たちの祖先が持っていた知識と経験から説明しようとした世界観であり、今の私たちの考え方や思想にも少なからず影響を与えているのではないでしょうか。

 倭(やまと)は国(くに)のまほろば たたなづく青垣(あおかき) 倭(やまと)し美(うるわ)し
 大意:大和は素晴らしい国、山々が重なり青々とした垣のように山に囲まれた大和はなんて美しいのだろうか。

 そんな故郷を大切に思う気持ちを愛国心というのでしょうか。今日は8月15日です。62年前の今日、大きな戦争が終わりました。いろいろな人が故郷を思う気持ちを持って、この国を動かしてきました。それらの活動には、様々な歴史的分析がなされていますが、自分が生まれたこの場所を愛する気持ちを持つことに間違いはないだろうと思います。今日はそれぞれの時代を一生懸命に生きてきた私たちの祖先に思いをはせる日なのかもしれません。A.M.
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