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こんな本を読んでみませんか19

 前回は「14歳の君へ」という哲学の本を紹介しました。哲学というと難しそうなイメージがあると思いますが、「知を愛する philosophy」という言葉が示すように、物事を知りたいという強い願いを果たすための学問なのです。私たちが何かを知るということは、私たちがそれまで生きていた世界の有り様が違って見えるようになるということだと思います。問題をスルーしても生きていくことができるのでしょうが、そこで立ち止まって考えることができる人間こそが、将来自分の考えで逞しく生きていくことができるのではないでしょうか。

 今回は池田晶子さんと同じ慶應義塾大学文学部出身の永井均さんの作品を紹介します。私は講談社現代新書の「<子ども>のための哲学」を読んだのですが、紹介するのは中学生でも読みやすい「子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている!」 です。10年くらい前に講談社から出た本ですが、今でも入手はできると思います。平凡な少年である「ぼく」が考え込んでしまった40の疑問に対して、猫の「ペネトレ」が一緒になって考えてくれる対話形式の文章は中学生にも読み進めやすいと思います。 この夏にちくま学芸文庫から出た「翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない」よりはこちらの方を勧めます。A.M.