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冬休みの読書状況から③

 今日はスタインベック John Ernst Steinbeck について書きます。1962年にノーベル文学賞を受けたスタインベックの代表作は「怒りの葡萄 The Grapes of Wrath」でしょうね。大干ばつと耕作機械によって土地を奪われた農民たちのカリフォルニアへの旅を描いた壮大な作品で、ヘンリー・フォンダが主演して映画化されました。指定図書の「二十日鼠と人間 Of Mice and Men」はその少し前に書かれた作品です。世界大恐慌時のカリフォルニア州が舞台で、2人の出稼ぎ労働者ジョージとレニーの悲劇の物語です。「怒りの葡萄」「二十日鼠と人間」ともに、1930年代の世界大恐慌という第二次世界大戦にもつながる事件が背景にあります。今の日本に生活する中学生にはすぐには想像しきれない状況かもしれませんね。

 ジェームズ・ディーンが主演して有名になった「エデンの東 East of Eden」もスタインベックの作品です。聖書の物語と南北戦争から第一次大戦までの時代を背景に、カリフォルニアの一家族の歴史を描いた大作で、古い作品ではありますが一読の価値はあります。A.M.