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理科冬休みの課題から⑧

 全身をスケッチした作品をもう一つ紹介します。写真を利用するのも一つの方法ですが、構造の特徴を観察・記録するにはスケッチの方が優れています。このことは、4月におこなった「葉の観察」の授業のときに話しました。

squid-15.jpgD組 Y.M.

 先ほどのスケッチもそうですが、色を塗ってごまかしていないところが良いです。色も情報としては重要ですが、構造を記録するためには黒一色でスケッチし、陰影を点描で表現するようにしたほうが正確です。特に各部分の長さを計測して記入したこのスケッチは良く描けています。

 胴を切り開くときに、外套膜を留めているスナップのような「外套軟骨器」「漏斗軟骨器」を確認するように指示してありました。イカは頭と胴の間から海水を吸い込み「漏斗」から一気に吹きだすことで移動することができるのですが、隙間をあけて頭と胴をつなぎ止めるための構造がこの「スナップ」です。
squid-24.jpg
「イカの肉を切ってもプチッとボタンのようなようなものをとらないと開かなかった。このボタンは、くり返し、つけたり、はずしたりすることができる。」 D組 K.N.
squid-23.jpg
「もう一度つけてみると『カチッ!』といってつきました。本物のボタンのようにかたかったです。」 D組 S.Y.

 この構造は留めたり外したりしてみて欲しかったことの一つです。生物の体が巧妙に作られていることを実感して欲しいと考えています。人間がスナップを発明するよりもはるか昔に太古の海の中でイカはこの仕組みを身につけていたのですから。