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生きる力をつけさせるために⑦

 書くことは話すことよりも文の密度が要求されるので、レベルが高くなります。親しい友人に気楽なメールを打ったり、思いついたことをただ書き連ねることは、日頃の生活の中でもありますが、ここでいう「書く」行為は誰かに読まれることを前提としている文章を書くことです。そんな内容の濃い文章を書くためには、普段からいい文章を「読む」という鍛錬が必要となります。「読み」と「書き」は直接連動した行為だからです。

 学年が上がってくると「小論文」を書くことが必要になってきます。しかし、実際に書いてもらうと、高校生はなかなか文章が進みません。たくさんの文章を読む経験を持たないからです。テーマに対する答の一つを思いついても、それを肉付けして膨らませることができません。ゴールは見つけられるのに、そこへボールを運んで蹴りこむことができないのです。

 中学生のお子さまたちにとって、今必要なことは論理的な文章を読むという経験です。物語や小説のような情緒的な文章を読むことは無駄ではありませんが、ここで言う「読み」「書き」の鍛錬にはなりません。この春休みの指定図書や新聞の社説のような説明文を読むことから始めて、その要点を自分でまとめることの積み重ねが「書く」力をつけるためには必要になってくると思います。A.M.