生きる力をつけさせるために⑧
55期生のブログは原則として「保護者向け」に発信しています。長期休暇でお子様が見る機会が多い時期には「生徒向け」の内容に切り替えます。年度が新しくなりましたのでもう一度、編集方針をお伝えしてしておきます。もちろんどなたがご覧になっても結構なのですが…。
今日は畑村洋太郎さんの著書「みる わかる 伝える」を紹介したいと思います。東京大学で「失敗学」を教えておられた方ですね。どのようなことに注意すれば理想の学習法がおこなえ、「観察力」「理解力」「伝達力」が身につくのかをまとめたのが本書です。お子さまに「生きる力」をつけさせるためにまわりの大人ができることをいくつか紹介していきたいと思います。
まずは「みる」ことからですね。畑村さんは「みる=見る」ではないと書かれています。「みるとは視覚だけではなく五感をフルに使って、目的意識をもってみる」ことだそうです。そのための基本は「現地に足を運び、現物を直接見て触れて、現場の人に話を聴くこと=3現」だそうです。常に目的意識を持って行動し、実際の体験の中で、自分自身で何かを感じたり自分の頭で主体的に考えないと本当の知識は体得できないのです。
お子さまたちは今は中学生ですから、学校で授業を受けてそれを消化するというパッシブな学習を当たり前のように感じています。もちろんそれは分かるための下地である知識の取得という意味では絶対に必要です。ただ、実際には学校生活のすべてのシチュエーションの中でアクティブな学習もおこなわれる必要があります。経験してみて初めて分かることはたくさんあります。いかに生活の中にそれを織り込んでいくか、それが私たち教師も含めて周りの大人の意識しておくことではないでしょうか。
次回は「わかる」について紹介していきます。A.M.