知らざぁ言って聞かせやしょう
昨日、大阪松竹座でスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の幕が開きました。運良く初日のチケットが手に入りましたので、見に行ってきました。
哲学者・梅原猛作の初戯曲となった「ヤマトタケル」は日本古代史の悲劇の英雄の生涯を描いた歴史スペクタクルです。「大和は国のまほろば、たたなづく青垣、山ごもれる大和しうるわし」と謳われた大和の国の皇子として生まれながら、父である天皇との軋轢に苦悩する小碓命(後のヤマトタケル)の苦難の旅を描いたものです。1986年2月、歌舞伎俳優・市川猿之助によって初演された「ヤマトタケル」は、早替りや立ち廻りをはじめ、斬新な衣裳と音楽、宙乗り等が観る者を圧倒しました。スーパー歌舞伎の原点といってもよいでしょう。
ただ、客席は年配の方が多く、中高生の姿はあまり見られませんでした。約束事が多く、芝居の筋を知っていないと楽しめない歌舞伎は敷居が高いのかなぁと思いました。記紀を読んだことがなければ、日本武尊のことも知らないのかもしれません。日本文化の代表として、海外では評価の高い歌舞伎を日本人自身が知らないというのもどうかなと気にはなります。文楽,能,狂言,歌舞伎…この国が培ってきた伝統的な演劇に親しめる機会をつくっていく必要があるのでしょうね。A.M.