生物多様性
理科第2分野では生殖や発生,遺伝などを扱っています。遺伝子やDNAといった言葉が出てくる単元です。これからの社会を生きていくお子さまたちにとっては大切な知識をたくさん含んでいます。遺伝子は究極の個人情報ですし、遺伝子組換えなどの技術はSFの世界のものではなく現実に存在します。何より近い将来、自分自身の子どもを持つ立場になる可能性が高いのです。ですから、教科書に載っていることよりも広く深く学んでもらう予定にしています。
さて、その中で扱う知識の一つに「(生物)多様性 biodiversity」があります。「地球環境問題」を取り上げる機会が多くなりましたから、耳にされたことがあるかもしれませんが、簡単に言ってしまえば「すべての生物の間に違いがあること」です。生物はそれぞれに違いがあり、長い進化の歴史において受け継がれた結果として、多様でつりあいの取れた環境が維持されているのです。豊かな自然とは、生物多様性の維持された環境を意味しています。この夏に訪れた「大山のブナ林」のような森林もその一つです。
日本という国が恵まれていることの一つに、生物種の豊かさがあります。その豊かさを実感しながら、保全のために自分は何ができるのかを考えてもらう機会をつくっていくことが、今年度から始まった環境教育の基本的な姿勢です。豊かな自然を背景にして、豊かな文化が培われてきたのでしょうから、それを継承して欲しいと思っています。A.M.