選特化学 授業の補足 5
分子の極性を考えるときに、分子がどのような形をしているかが影響することは授業で説明しました。そのときに、水H2Oは折れ線型になるが、二酸化炭素CO2は直線型になる理由については省略をしました。気になる生徒もいるようですので、かいつまんで解説をします。
最外殻の電子対どうしは反発しあい、互いに最も離れ合う方角に伸びて分子をつくるという考え方をVSEPR理論といいます。VSEPR理論による分子構造予測の手順は次の通りです。
①電子式を描く。 ②中心の原子から、非共有電子対も含めて電子対がどの方向に伸びるかを考える。③多重結合は束ねる。④電子対どうしが最も離れ合う方向に電子対を伸ばす。⑤電子対の延長線上に結合相手の原子を配置する。
この考え方で分子構造を予測すると、電子対が4方向に伸びている分子の内、メタンCH4が正四面体型,アンモニアNH3が三角錐型,水H2Oが折れ線型になることがわかります。