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京都大学を肌で感じよう ⑦

 京都大学らしいなと思ったのは、話をする先生方の姿勢です。正直言って親切さはあまり感じませんでした。教えてやろうというよりも、聴いてみて面白いと思えるなら自分からぶつかってきてごらん…というように見えました。講演時間は30分程度(実際には予定通りには終わりませんでしたが)で、20分の質疑応答を取っていたのも、その現れではないでしょうか。

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 ノーベル賞受賞者である益川敏英先生の「科学とあこがれ」という講演を聴いて、今回の公開講座は終了しました。益川先生は若者が科学に近づいていき、科学者になっていく過程にはあこがれがある、それはドンキホーテのようなものだという話から始められました。その上で、好きなものであれば、努力を意識することもなく打ち込めるだろうとも話されました。また、ヘーゲルの「自由とは必然性の造作である」という言葉を引き合いに出し、「科学とはより多くの自由を人類に用意するものである」から、どう利用するかは社会の課題であるとも話をされました。そして、いろいろな例を挙げて、基礎科学が社会で役に立つまで100年かかることにも触れられました。最後に、現在の科学は複雑化・高度化して個々の研究者には部分しか分からない状況になっているので、集団で研究していることが多いという話で締めくくられました。