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選特生物 授業の補足13 センター試験解説前半

 大問が5問、小問が32問でした。こちらも60分間のテストですから、1問を2分弱で解くことになります。昨年度は易しくて、平均も69.7点と高かったのですが、今年は問題文が長くなり、図が増えたこともあって昨年度よりは少し難しくなりました。大問は「細胞」「生殖と発生」「遺伝」「刺激に対する動物の反応」「環境と植物の反応」からそれぞれ20点分ずつの出題です。現在の授業の進度では第3問まではできそうです。

第1問
問1 細胞の構造に関する問題です。諸説ありますが、核の発見者はブラウンです。核,ミトコンドリア,葉緑体は二重の生体膜構造が特徴です。核膜には核膜孔とよばれる穴があいていますから、正解は⑦になります。ひだ状の突起というのはミトコンドリア内膜のクリステを指しています。
問2 細胞に含まれる色素についての知識問題です。①クロロフィルは有機物合成(光合成)に関与します。③ヘモグロビンは赤血球に含まれます。④色覚に関与するのは錐体細胞です。
問3 サフラニン液は木化した細胞壁を赤く染める染色液です。
問4 体細胞中の細胞の大きさの変化とDNA量の変化のグラフが与えられています。DNA量の変化から体細胞分裂のステージを考えればそれほど難しくありません。DNA量が2倍になる時期が間期の一部であるS期、半減するのは終期が終わったときです。凝縮した染色体が観察されるのは前期なのでク,細胞質分裂が完了すると細胞の大きさが半減しますからコとなります。
問5 卵割の特徴の1つが分裂中に成長しないので、割球(娘細胞)が半減することです。DNA量の変化は体細胞分裂と同じですから、グラフは①になります。
問6 卵細胞には卵割に必要な物質があらかじめ準備されているので、G1期はなく、G2期も短いのが特徴です。分裂速度は速いので①は誤りです。また、同調分裂がおこなわれるのも特徴ですから、②も誤りです。相同染色体が対合するのは減数分裂の特徴ですから④も誤り。ウニは第三卵割まで等割で、8細胞期は同じ大きさの割球になります。(16細胞期の細胞は3種類の大きさに分かれます。)
第2問
問1 ①は雄原細胞ではなく精細胞、②は助細胞ではなく卵細胞、④は胚乳ではなく胚、⑤は無胚乳種子でも重複受精はおこなう。⑥は有胚乳種子でも子葉がある。ということで③が正解です。
問2 精細胞から精子に変形するときに細胞質の多くを失いますが、核・ミトコンドリア・細胞膜はありますから、③④⑤は誤り。減数分裂第2分裂の途中で停止した二次卵母細胞が受精しますが、精子の方は減数分裂が完了しているので②も誤りです。
問3 灰色三日月環は第1卵割が始まる前にでき、原口背唇部になる部分です。受精で消失するとする①は誤り。両生類の分化の決定は胞胚期と比較的遅い調節卵なので②も誤りですね。外胚葉が表皮と神経に分化するとき誘導に関わるのが中胚葉である脊索ですから③も誤り。眼胞が表皮を水晶体に誘導すると同時に自身は網膜に分化しますから⑤も誤りとなり、答えは④となります。初期の原腸には中胚葉の二次間充織になる細胞が含まれているのですが、この知識はなかったかもしれませんね。

センター試験生物の問題はこちら(YomiuriOnlineにリンクしています)