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選特生物 授業の補足14 センター試験解説後半

続きです。
第2問
問4 実験から導かれる結論を問う問題です。知識だけでは解けません。実験1で分かることは、標識された細胞が口と骨片の周辺にしかないことから、これらが小割球に由来する細胞であることだけです。このことに矛盾しない記述は②だけですね。
問5 こんどは複数の実験から結論を導き出します。実験2では未受精卵に精子の運動を激しくする作用があることはわかりますが、未受精卵の何がはたらいているかはわかりません。実験3でゼリー層を取り除くと運動を激しくする作用が消え、実験4でゼリー層だけ加えると作用が見られることから、ゼリー層にこのはたらきがあることが予想されます。同様に先体反応もゼリー層によっておこることがわかります。以上のことから⑤が正しいと言えます。
問6 実験5では精子の運動性の上昇を引き起こす物質Xと先体反応を引き起こす物質Yの半透膜を透過する性質を調べています。半透膜は分子が小さければ透過しますが、大きければ透過できません。激しく運動したので、外側の海水にXは透過しています。先体反応が起こらなかったので、Yは透過できなかったと考えたいところですが、この選択肢はありません。透過したけれども量が少なかったかもしれない可能性も考えると、Yについては分からないとなりますから②を選ぶことになります。
第3問
問1 授業で扱っているところなので易しかったでしょう。ハーシーとチェイスの実験では、殻のタンパク質のSと内部のDNAのPを放射性同位体で標識して、菌体内に入った物質を特定したのでした。
問2 ハーシーとチェイスの実験以前に遺伝子の本体がDNAであることの可能性を示した実験は、アベリーが肺炎双球菌で形質転換を引き起こす物質を調べたものでした。
問3 常染色体上にありますから、伴性遺伝の可能性はありません。子の世代の右端の夫婦について、ウェット型どうしでドライ型が生まれていますからウェット型が優性で、bはヘテロであることがわかります。aはウェット型ですが、ホモかヘテロかは不明です。したがって⑤が正解となります。
問4 伴性遺伝の性質を考えます。女子は両親からX染色体を受け取りますから、父親が形質Hを示さなければ娘は形質Hを示しません。しかし、男子は母親からX染色体を受け取るだけですから、母親がヘテロならば形質Hを示しませんが、息子は1/2の確率で形質Hを示すことになります。
問5 組み換え価の計算です。劣性ホモを掛け合わせた検定交雑をおこなっているので、(4+4)/(21+4+4+21)*100=16%です。
問6 kv間とpk間の組み換え価が出ているので、pv間の組み換え価が出れば三点交雑によって3つの遺伝子の位置関係は求まります。リード文と同じようにヘテロと劣性ホモの組み合わせを考えればよいので、①になります。